四季 草木綺譚


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ベニバナ

ベニバナ

 最上川を船で下り、酒田から海路を経て京都に運ばれた紅餅はたいへん高価なものであったと記録されています。 出羽の国を訪れた芭蕉は、たぶん初めて目にしたであろう一斉に咲き揃う花に旅の疲れも忘れるほどであったか。 行脚の道程、旧暦の五月に句を尾花沢に残しています。

  「眉掃を 俤にして紅粉の花」… 奥のほそ道

 和漢名を紅花(こうか)といいます。薬物として宋の『開宝本草』に紅藍花として記載があり、基源はキク科のベニバナ。 中東から中国へ渡り、高句麗の僧曇徴がわが国にもたらしたものといわれています。 板状または楕円に固めたものはもっぱら染料として用い、薬用にはそのまま乾燥した散花を用います。
 活性酸素が、癌や脳梗塞をはじめ成人病のひきがねになり、この消去作用を持つものがあるという研究結果が赤ワイン人気を呼びました。 化学構造こそ違え、ベニバナの花や葉にもフラボノイドを多く含むし、種子に含まれるコレステロール低下作用を持つリノール酸も有効との知見があります。 また漢方処方には「活血通経湯」や「紅花散」などがあり、ベニバナを用いるこれらはもともと婦人特有の血行障害の改善薬でもあるのです。
 お茶にしてよし、ホワイトリカー漬けにしてなお良し。ふんわりと温まるその薬効が老化防止にもなることもわかってきました。 写真は特産地の高瀬地区です。山形県県花でもあるベニバナの効用をぜひおためしいただきたいと思います。

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