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活性酸素・フリーラジカルと病気 「活性酸素」と「フリーラジカル」について少し説明いたします。私達は空気中の酸素を吸って生きています。 酸素は「三重項酸素」と呼ばれ、酸素原子が2個結合した1個の酸素分子です。酸素には2個の不対電子があります。 不対電子は不安定でよそから電子を奪って安定な対になろうとしています。 このような1個の不安定な電子をもっているものを「フリーラジカル」と呼んでいます。 活性酸素は正しく呼べば活性酸素種です。酸素に電子が1個入ると、スーパーオキシドとなり、 さらに水素イオンと電子が入って過酸化水素となります。 過酸化水素の3%溶液は消毒液として用いられています。過酸化水素に電子が入って半分に割れると、ヒドロキシルラジカルができます。 さらに水素イオンと電子が入って水へと代謝され、無毒化されます。この中で最も活性が強く、悪さをするのはヒドロキシルラジカルです。 ヒドロキシルラジカルは酸素からできるので、酸素、スーパーオキシド、過酸化水素、 ヒドロキシルラジカルはまとめて活性酸素種と呼ばれています。 この中で、活性酸素でもあり、フリーラジカルでもあるのは酸素、スーパーオキシド、ヒドロキシルラジカルです。 ![]() ヒトのからだは約60兆の細胞から構成されていますが、各細胞には細胞膜があり、イオンの透過性により機能を保っています。 蛋白質は膜を構成し、栄養の代謝に必要な酵素を作っています。 活性酸素種のうちで最も活性の強いヒドロキシルラジカルは、細胞膜を障害し、蛋白質を酸化し、DNAを損傷し、 突然変異を生じて老化を進め、病気を促します。 そのほかに、紫外線照射によりできる一重項酸素があります。一重項酸素はDNAを損傷させるように活性が強いので、 活性酸素ですがフリーラジカルではありません。フリーは自由な、ラジカルは学生運動に携わった活動家みたいなものです。 一酸化窒素(NO)は公害で問題になっていますが、体内では血管拡張作用をするよい働きをもっています。 心筋梗塞をもつヒトにはニトログリセリンを持たらさせられますが、それは発作時に飲むとニトログリセリンからNOが発生し、 血管を拡張するからです。NOは活性酸素であり、フリーラジカルでもあります。 ![]() Dr. Harmanが1956年に老化とフリーラジカル説を提唱し、 スーパーオキシドを消去する酵素(スーパーオキシドジスムターゼ)が1969年にMcCordおよびFridovich博士らにより発見されてから、 フリーラジカルが医学の分野にとり入れられ、現在に至っています。 老化をはじめ現在問題となっている生活週間病の動脈硬化、脳梗塞、糖尿病、腎疾患や、 脳の病気(パーキンソン病、アルツハイマー病、痴呆)は活性酸素・フリーラジカルが大きく関与しています。 細胞死にはアポトーシス(自暴)とネクローシス(やけどなどの組織障害による細胞死)とがありますが、 これらには活性酸素・フリーラジカルが関与しています。もの忘れも神経細胞が穏やかに死んでいる結果です。 すなわち、神経細胞膜外にある過剰なグルタミン酸はN-メチル-D-アスパルギン酸レセプターに作用すると、 細胞内にカルシウムイオンがはいり、NO合成酵素を刺激します。 すると、アルギニンが基質となりNOが発生します。NOはスーパーオキシドと反応し、ペロキシナイトレートイオンを生成します。 ペロキシナイトレートイオンは毒性が強く、細胞死を生じます。
最近、活性酸素・フリーラジカルの研究は遺伝子レベルまで発展しています。
癌やアポトーシスなどに関係した転写因子に作用することがわかってきました。
老化の促進を留め、病気を予防するための一つに抗酸化食品(活性酸素・フリーラジカルを消す食品、
例えば緑茶、赤黄緑の果物や野菜、赤ワインなど)の摂取があります。
人の命は120歳まで生きられるという説がありますが、現在においてはヒトが科学を発達させ、ヒトが病気を造っているという時代でもあります。
抗酸化食品を毎日食べて健康に気をつけていたら、少なくとも食べないヒトよりも健康を長く維持することができます。
Midori Hiramatsu, Ph.D.
Tohoku University of Community Service and Science. 2001.04.10 |
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平松 緑(ひらまつ みどり) 神戸女子薬科大学薬学部卒 岡山大学医学部で医学博士号・米ノースダコタ大学医学健康科学教授, 新設された東北公益文化大学教授に就任。 2001,3/6国際ソロプチミスト女性栄誉賞をお受けになった日の写真。 翌日は学会で米国へと極めてご多忙。多方面でご活躍中。 (※ご質問等は内容を当方で判断し適切なら先生に連絡します) |
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