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クスノキ…カンフル注射のはなし 〜『草木筆まかせ』より抜粋〜
樟脳にも中枢神経興奮作用・強心作用がありますが、竜脳にくらべ弱いといわれています。心臓の衰弱した末期患者にカンフル注射すると病状がもち直すことから、かつては起死回生の薬といわれました。カンフル注射の効果はやや時間がたってあらわれます。このことに着目した東京大学薬学研究グループは、樟脳は体内で変化を受けた、いわゆる代謝物が薬効を示すのであろうと推理しました。イヌに樟脳を投与して尿中から強心作用を示す物質を単離し、ビタカンファーと命名(*)したものです。昭和7年に医薬品化されて医療に供せられました。ビタカンファーの大きな特長は、速効性があること、水に溶け注射薬として扱い易いことです。注射液(カンフルオリーブ油)の形で呼吸中枢、血管中枢および心臓の興奮に用いましたが(25%液1ml,皮下または筋肉注射)現在は使われていません。内服する場合は吸収が悪く胃を刺激するので、ほとんど使われていません。現在は外用薬としてカンフル剤・石鹸カンフル擦剤・カンフル軟膏として神経痛・打撲症・しもやけ・皮膚病に塗布したり、嗽薬・浣腸・吸入薬などに配合されます。 |
〈樟脳のはなし・了〉 |
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