ゲストドクター


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団塊の世代からシニアにひろがる「うつ」の影

 いわゆる団塊の世代で一番数が多いのが1947年(昭和22年)生まれで、その方達が定年(60歳)を迎えるのが2007年、来年になります。 戦後60年、団塊の世代において、経済システムの変革や産業構造の変化、技術革新の進展加えて個人主義、効率主義の傾向など厳しい社会状況の中で、 自分の仕事や職業生活に強い不安や悩みを持ちながら勤務しているのが現実です。 企業の倒産やリストラによる失職や転職、それらを切り抜けて職場に残ることのできた人にも、厳しいノルマやサービス残業の増加、 慣れない業務への配置転換といったストレスが重くのしかかっています。

 こうした状況は、身体的健康のみならず心の健康もむしばんでいます。シニアにとって身体的健康の一番の心配は生活習慣病ですが、 それに匹敵するかのように自殺者が急増しています。日本において自殺する人の数は、平成10年に初めて年間3万人を超えて以来、 高い数字を維持しており、交通事故死をはるかに上回るレベルとなっています。なかでも働き盛りの中年男性の自殺者が急増しており、 勤労者のメンタルヘルスは今まさに危機に瀕しているといってよい状況です。

 個人生活においても、家族制度が変わり家長制が壊れ核家族化したこと、 バブル崩壊に伴い住宅ローンの返済など経済計画の立て直しや少子高齢化社会になったことからくる介護や自分の老後に対する不安、 子どもとの世代間のズレが埋められない断絶や不登校、閉じこもり、家庭内暴力、いじめ、非行などの子どもに対する悩み、女性の職場進出等と、 様々な問題を抱えているなど心理社会的ストレスが多種多様となり、まさにストレス時代であるといっても過言ではないと思われます。

 それではどうしたらいいのでしょう。「趣味を持ちなさい」とか「旅行や運動をしなさい」などと一般的にいわれていますが、 私は「もっといいかげんに生きる」事を勧めています。「いいかげん」というのは「好い加減」のことですから、 「楽に生きる」に生きましょうということです。何にとらわれるでも無く自分そのものをさらけ出しながら生きていく、 その時に食べたくなったら食べればいい、旅行に来たくなったら行けばいい、まあ、「なるようになるさ」と。 こうやって「いいかげん」に生きる事はある意味、自分を大切にすることでもあるのですが、それが「悪」になると考える人が多いのも現実です。 でも、それは今まで一生懸命働かなくてはいけなかったときの事であって、 その仕事を終えて新しい人生をはじめるときにはきっと「楽に生きる」行き方なのではないでしょうか。
2006.06.02.

山根さん

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